脳卒中片麻痺の患者さんは、麻痺側の肩関節亜脱臼を防ぐために、
三角布(写真1)やアームスリングで上肢を支持、固定しています。
脳卒中後のリハビリテーションを行っている病院や高齢者施設で
見かけることがあると思います。

写真1
私が理学療法士として病院に勤務していた頃、
ある女性の患者さんが外国製のスカーフを
三角布の代わりに使っていらっしゃいました。
スカーフの縁とズボンの色を、薄紫色でコーディネートされていて、
とても素敵でした。
また、ある雑誌でイギリスのエリザベス女王が骨折された時に、
エルメスのスカーフで腕を吊っているのを見ました。
それはとてもエレガントで、ケガをしているのに
逆にそれをおしゃれのポイントとするセンスはさすが!と思ったものです。
昨年、片麻痺のお母様とそのお嬢様にお会いすることがあり、
三角布のかわりにスカーフを使うことを教えてさしあげると、
たいへん喜んでいただきました。
「スカーフをすることも、もうないかと思っていたのに・・・」
「これからも母にたくさんスカーフを買ってあげます。」
三角布のかわりにスカーフを使うと、お顔がとても明るく映ります。
男性の方でも、無地のタイプや、すっきりしたストライプなどの柄ならば
抵抗なく受け入れられると思います。
写真2や3のように、セーターの色に合わせたり、
思いきって柄のきれいなタイプにしたりと、いろいろ楽しむことができます。

写真2 写真3
理学療法士や作業療法士、看護師などの方にとって、
肩関節亜脱臼を防ぐために、三角布やアームスリングの必要性を理解し、
患者さんに説明し、正しくとりつけるのは当たり前のことです。
しかし、一日中つけているものなのですから、
ほんの少しでも明るい気分になれるような、おしゃれを楽しめるような、
そんなプラスαのアドバイスができればと思うのです。
三角布に限らず、すべての治療、援助、介護の場面で
いつも心に留めていたいと思っています。
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本日の記事は、前職:株式会社デアマイスター在職中に私が書いたものです。
もう8年前近くになるでしょうか・・・
デアマイスター・ホームページリニューアルに伴い
以前の内容は見られなくなりますので
私自身も大好きなこのページだけ
転載させていただきました。
実際、このページの訪問者数も
かなりの割合だったと聞いています。
書いたのはずいぶん前ですが
今も三角巾自体は使われていますので、
どなたかにお役に立てていただければ幸いです。
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「認知症ケア、精神論だけじゃあかんで~。」 へのコメント)
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